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2015/04/28

無茶をする。

別ブログから。

何年経っても外国語試験や外国語学習教材をふらふら追い掛け回している人を見ると「果たしてこの人が外国語を使う日はやってくるのだろうか」と虚しい気分になる。

こういう意見は如何にも一般受けしないというのはわかっているが,多少なりともまともに外国語に取り組みたいのであれば,学習初期に「的を絞って無茶をする」戦略は常に有力な選択肢として挙げられると思う。

数ヶ月間狂ったように単語暗記に取り組んで10,000語(WF)程身に付けてしまうだとか,定評ある文法書を1日掛けて読み通してしまうだとか,学習初期に発音の基礎をひと通り身に付けてしまうだとか,この辺りはどうせ避けられない道なのだからさっさと乗り越えてしまった方がよい。

憶えるべきものを憶えてしまえばもう試験がどうこうとか,そういうレベルではなくなっている(逆に言えば,いつまで経っても試験云々から卒業できないのは,憶えるべきものを怠け心で憶えようとしないから)。

学習初期にこうした宿題を済ませ外国語使用者の仲間入りをすると,複利運用よろしくその後の学習の効率性が飛躍的に向上する。

外国語は外から突っつき回していてもだめ。

今日から「無茶」を始めましょう。


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2015/04/24

英語達人列伝


私がTOEICの学習を始めた頃「まずはモチベーションを高めることから始めなくては!」などと考えて,英語達人たちの本を読んだり自己啓発本を読んだりしていました。

で,すっかり勉強した気になって,その日の「学習」を終えて眠りにつく,という日々を続けました(笑)

つべこべ言わずにさっさと具体的な勉強を始めればいいんですよね。

ところで,先程本棚の整理をしていたらその時期に読んでいたと思われる本が1冊出てきました。

英語学習者の間では結構有名な本ですね。

この書籍では新渡戸稲造や岡倉天心,斎藤秀三郎ら近代の英語達人の英語力や英語に対する圧倒的な熱意を象徴するエピソードの数々を紹介しており,やる気を奮い立たせる言葉が溢れています。

「スコットという優れた教師の手引きもあって、彼は英作文と英文学読解を熱心に修業した。このころ身についた多読の習慣は、のちに彼の眼病を誘発したほどである」p.14

「斎藤の場合、その才能もさることながら、勉強量が尋常ではなかった。工部大学校在学中、彼は図書館にあった英書を読みつくし、『大英百科字典』(全三十五巻の第一〇版ブリタニカ百科事典のことだと思われる)を二度読んだという」p.60

「中学時代に英語に異常なほどの興味を抱き、「英語屋」のあだ名で呼ばれた西脇順三郎は、英国人と完全に同じくなるほど英語に熟達することを目的とし、すべての時間を語学の修得に費やした。『ナショナル・リーダー』を丸暗記し、英語でノートを取り、そして、どこを聞いてもわからないところがないほどまで『井上英和』を読み込んだ」p.202

……なんかこう,身体の中からふつふつと湧き上がってくるものがありますよね。

ところで,こんな本を紹介しておきながら,私は過去の英語学習者たちの語学力を詳細に検証することなく,むやみやたらに達人だ偉人だともてはやす風潮が好きではありません(※)。

数年前もtwitter上で「私の師匠の◯◯先生は母語話者顔負けの英語力で,発音は完璧(?),話し言葉に文法的誤りは皆無,日系アメリカ人に間違えられることもしばしばだった。それに比べて現代の学習者たちの体たらくぶりときたら……(以下略)」みたいなことを書いている人がいました。

それは凄い人がいたものだなあなんて思っていたのですが,後になってYouTubeに「先生」ご本人の肉声を聴ける動画がアップされているのを発見し視聴してみると……

いやいやいや,思いっ切り日本人英語じゃん……

資料があまり残っておらず語学力の検証が難しい過去の「達人」たちのエピソードは何かと誇張・美化されるきらいがあります。

一方で,これだけ各種メディアが発達した現代では何もかもオープンになり,「得体の知れない凄さ」を演出し難くなりました。

確かに昔と違い猫も杓子も英語を勉強する今日,学習者の平均レベルが下がっていても不思議ではありません。

しかし,中にはこの恵まれた英語学習環境をフル活用して素晴らしい(それこそ過去の「達人」たち顔負けの)語学力を身に付けている人々も当然いるのです。

私たちが参考にすべきはそうした人々の英語への取り組み方ではないでしょうか?

でも,『英語達人列伝』はお薦めですよ!

※上記の本の登場人物を揶揄しているわけではありません。彼らは実際素晴らしい学習者達だと思います。


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2015/04/23

未来を生きる英語学習者達


Skypeを立ち上げればネイティブ・スピーカーと会話ができ,YouTubeでは世界の一流大学の講義を含め日々無数の英語動画がアップロードされ, Amazon.comで電子書籍を買えばKindle Cloud ReaderやiPadですぐに洋書が読め,ニュースサイトに行けば世界中の人々と最新ニュースについて侃々諤々と意見を交わすこともできる……

タイムマシンに乗って時を遡り,テレビもインターネットも無い時代の外国語学習者達にこんな「未来の世界」の話をしたら,きっと彼らは興奮し切った様子でこう言うでしょう。

「ああなんてことだ!まるで夢の世界じゃないか!さぞかし未来の世界の住人達は流暢に外国語を操るのだろうね!」……

さて「未来の世界」の住人であるあなたは彼らになんと答えますか?

このご時世,ネット環境さえあれば誰でも超大量の良質な生の素材に触れることができるようになり,今や学習環境はほとんど問題にならなくなりました。

「1冊しかない貴重な辞書の周囲に3人も4人も塾生が集まり寝食も忘れて書物を読み耽る」時代はもう遠い過去のことです。

これだけ学習環境が改善されたにもかかわらず,今もなお英語学習に四苦八苦する人が多いのは何故なのでしょうか?

様々な理由が考えられますが,私は多くの学習者がTOEICを始めとする試験英語一辺倒になっていることが大きな原因の一つになっているのではないかと思います。

本当は短期で攻略できるはずのTOEICのような試験を過大評価し,その攻略にだらだらと時間を掛けさせようとする試験・資格業界。

そうした試験で優秀な成績を残したにもかかわらず,思うように英語力が伸びずやり切れない思いの学習者達(そして,周囲の人達からは「英語ができる人」扱い)。

このような状況は何かおかしいと思います。

「未来」を生きる私達の目の前には無数の選択肢が用意されているのに。


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2015/04/20

ポリグロット(多言語話者)の世界【2】Steve Kaufmann

(Steve氏がYouTubeへの投稿を始めた2007年頃の動画。2015年現在,彼の学習言語数は15に達している)

今回はカナダ人ポリグロットであり,熱心なYouTuberでもあるSteve Kaufmann氏をご紹介します。

▽古希を迎える今もなお活力溢れる元外交官のLanguage Lover

モントリオールで育った彼は名門マギル大学在学中,ある先生と出会ったことにより外国語学習(フランス語)に開眼,フランス屈指のエリート校パリ政治学院(Institut d'Etudes Politiques de Paris)にて3年間政治経済を学びつつ,フランス語能力をめきめきと伸ばしました。

卒業後は外交官として中国に赴任することが決まり,カナダ政府の支援のもと,香港にて1日10時間中国語(Mandarin Chinese)を集中学習する日々を送っていたのですが,中国の職場のクソな上司(曰く"complete jerk"!)に愛想を尽かした彼は「独学で日本語を習得するから日本へ赴任させてほしい」とカナダ政府へ願い出たのでした。

無事その申し出が受け入れられたはよいものの,時代は1960年代後半,中国では良質な日本語学習教材などなかなか手に入りません。

取り敢えず書店で見つけた教科書やテープを購入し学習を始めてはみたものの,その教材には日本語の挨拶として「お目にかかれて大変光栄に存じます」という表現が掲載されていたということですから,その苦労は想像に難くありません。

その一方で,彼は中国の日本大使館に勤める日本人と週2回のLanguage Exchangeを行っており,これが功を奏したそうです。

そして1971年に晴れて日本へ行くことになったSteve氏。実務をこなしつつListeningとReading中心の日本語学習を続けてゆく中で,彼の日本語能力は大幅に向上しました。

その後外交官を辞めてからは材木の輸出入ビジネスに従事することになりますが,その間も彼の外国語学習熱は治まるどころか年々高まってゆくばかり。

学習言語の数が10を少し超えた2007年頃,息子のMark氏と共にオンライン外国語学習サービスLingQ(リンク)を立ち上げることになり,2015年現在もLingQを利用した外国語学習に勤しんでいます。

▽外国語学習の3本柱

彼は外国語学習上最も重要な要素として以下の3つを挙げており,YouTube動画の中でも事ある毎にその重要性を訴えて続けています。

1. Attitude(態度)

彼は勝負の70%は学習者の態度によって決まるとし,学習者は以下のような態度を保つべきとしています。

  • 異文化に対する強い興味関心と,自らもその一部になりたいというオープンさ
  • 外国語を修得するという強い決意や自信
  • 完璧主義に陥らずに学習プロセスそのものを楽しむ姿勢
2. Time(時間)

また,外国語は一朝一夕で身に付くものではないため,以下の様な時間への配慮が決定的に重要になります。

  • 日々の学習時間を十分に確保しているか
  • その学習時間を効果的で楽しいものにしているか
  • 学習時間を短縮すべく,よい道具に投資をしているか(e.g. mp3プレーヤーやiPad, オンライン辞書など)
3. Ability to Notice(気づく力)

更に,学習者は惰性で学習するのではなく,学習言語で何が起こっているのかを鋭敏に感じ取るよう心掛けることが重要としています(e.g. 発音やイントネーション,文の構造など)。

そして,この気づく力を磨く有力な手段として,彼の学習法のトレードマークである大量のListeningやReading,母語話者によるWritingの添削,時折文法書を参照することなどを挙げています。

▽オンライン学習システム "LingQ"

彼は自らが主催する学習システムLingQを利用すれば上記のポイントを押さえた効果的な学習ができると主張しており,創業者である彼自身もこのサービスのヘビーユーザーです。

このLingQですが,何を隠そう私も数ヶ月間有料会員だった時期があり,かなりお世話になりました。これについてはまた別個に記事を書きたいと思っていますが,日本人英語学習者にもお勧めできるサービスです。

▽ポリグロット・コミュニティ屈指のYouTuber

このように精力溢れるSteve氏ですが,彼は熱心なYouTuberでもあり,LingQの宣伝も兼ねてこれまでに数百本もの動画をアップしています。

彼の外国語学習哲学について非常に聴き取りやすい英語で語っていますので,日本人英語学習者の教材としても最適ですよ。

彼のYouTubeチャンネルはこちらからどうぞ。



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ポリグロット(多言語話者)の世界【1】Tim Doner

今回ご紹介するのはNew York在住のTim Doner氏。

2012年に20ヶ国語を練習する動画をYouTubeにアップロードし,一躍有名人に。New York Times, BBC, The Economist他,数々の一流メディアから取り上げられた他,TEDのスピーカーにもなりました。

動画アップロード時は弱冠16歳だったティム君,外国語学習を始めたのが13歳の時だというのだから,更に衝撃的です。

13歳といえば多くの日本人が中学校で英語の学習を開始する時期ですが,それからたった3年後に20ヶ国語を話す様子を世界に向けて発信したわけで,彼の語学に対する打ち込みぶりがうかがえます。

さて,そんな人気者の彼ですが,熱狂する周囲の人々とは対照的に,自らの語学力を冷静に見つめています。

曰く,「本当の意味で話せるのは英語だけ。英語以外には4つか5つの言語がストレス無く話せて,他にも常に2〜4の言語を真剣に学習している。あとはあれこれ手を出してみているだけだよ」The Economist - Shrug like a Frenchman and frown like a Russian

「20ヶ国語をマスターしたティーン・エイジャー」などと喧伝されることには複雑な思いがあるようです。

実際(他のポリグロット達と同様に)彼の外国語の学習進度は言語により様々で,中にはまだまだ入門レベルのものもあるようです。

しかし,それがどうしたと言うのでしょう?

注目すべきは彼の語学に対する燃え上がるような情熱です。

「頭が柔らかい内に,できるだけたくさんの言語の基礎を身に付けたいんだ」と彼は言います。

言語を通じて未知の世界に触れるのが楽しくてたまらない。
そんな彼の姿勢が世界中の人々の心に火を付けたのでしょう。



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2015/04/19

ポリグロット(多言語話者)の世界【0】多言語話者は誰でもなれる?

(動画はカナダのTV番組16×9のポリグロット特集。YouTubeで人気のSteve Kaufmann氏,Tim Doner氏,Richard Simcott氏も出演している)

世の中には「ポリグロット」と呼ばれる人々がいます。

5ヶ国語も10ヶ国語も操る彼らは英語一つに苦しむ多くの日本人の目には別世界の生き物のように映るかもしれません。

いわゆる"YouTube Polyglots"達がもてはやされるようになってから数年経ちますが,今でも複数言語での自己紹介動画のようなものがアップされる度にちょっとした話題になることから,ポリグロットへの憧れを持つ人々は多いようです。

彼らは特別な脳の持ち主なのか?

それとも学習法に秘密が隠されているのか?

私達もポリグロットになることができるのか?

今後数回に分けて世界の多言語話者達を紹介しつつ,上記の謎を探ってゆきたいと思いますが,まずは以下のことを知っておいて損はありません。

▽各言語間の関連性が鍵

日本人が学習する外国語といえば,これはもう圧倒的に英語です。

長年の学校教育や自学自習を経てもなかなか思うように話せるようにならず,多くの人が苦手意識を抱いています。

もちろん教育の質や自学自習のやり方などの問題もありますが,基本的には英語は日本人にとってそれだけ習得が難しい言語なのです。

では他の外国語はどうなのでしょうか?

ついつい英語にばかり気を取られがちですが,当然ながら地球上には膨大な数の言語が存在します。

そしてその中には文字体系,文法体系,発音体系等の観点から,日本人にとって比較的習得が容易とされている外国語もあるのです。

韓国語やインドネシア語,トルコ語などがその代表例としてよく挙げられますね(参考:ディラ国際語学アカデミー「言語別の推奨学習時間数」)。

もちろん,外国語である以上,難易度が相対的に低いとは言ってもなかなか一筋縄ではいきませんが,例えば韓国語,インドネシア語,トルコ語,スワヒリ語を満足に使うことのできる日本人がいるとして……その人はもう何処へ行っても恥ずかしくない,ポリグロットですよね。

更に楽しいことには,そうして身に付けた外国語Aにも共通点が多い外国語Bが存在するであろうことです。

このように関連性の高い言語を一つ一つ習得してゆけば,私達がポリグロットになることも夢ではありません。

実際,多言語話者の中にもまずは母語と共通点の多い言語から学び始めたという人が少なくありません。

▽一つの言語での成功体験が支えになる

幼少期にバイリンガル環境で育ったような人は別として,多くの人にとって最も難しいのは第一外国語の習得でしょう。

果たして自分が満足に英語が話せるようになる日はやって来るのだろうか?と自らを信じ切れない人も多いと思います。

しかし,ひとたび外国語を身に付けるとその成功体験が自信となり,思うように語学力が伸びない時でもコツコツと学習を継続することができるようになります。

▽結局はモチベーションが大事

しかし,最後に物を言うのは何と言ってもモチベーションです。

学習言語の難易度がどうあれ強い動機付けがあれば前途洋々,外国語の海で泳ぎ続けることができるでしょう。

ポリグロット達に最も共通することは,皆が外国語を愛してやまない人々であるということなのかもしれません。

▽余談:英語と関連性の強い言語は?

とはいえ,このブログをご覧になっている方の大半は英語学習者だと思います。

では仮に皆さんが英語をかなり満足できる水準まで身に付けたとしたら,一体何が起こるのでしょうか?以下に興味深いデータがあります。

(以下,Wikibooks:Language Learning Difficulty for English Speakersより抜粋・和訳)

カテゴリー1: 英語と密接に関連する言語 23〜24週間(576〜600時間の授業)を要する

アフリカーンス語,カタルーニャ語,デンマーク語,オランダ語,フランス語,ガリシア語,イタリア語,ノルウェー語,ポルトガル語,ルーマニア語,スペイン語,スウェーデン語

(抜粋・和訳終わり)

上記はアメリカ国務省のForeign Service Instituteが1973年に発表した,アメリカ人のエリートさん達に対する外国語研修の成果に関する資料からの抜粋ですが,これによると英語の母語話者にとって上記11言語は習得が最も容易な部類に属するとのことです(正確には読み書きに関してGeneral Professional Proficiencyに達するまでに要する授業時間を算出している)。

つまり,私達が十分に英語力を磨き上げた暁には,比較的容易に習得できる外国語の選択肢が大幅に増えるということです。これは夢が広がりますね!

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2015/04/15

英語学習者の夢「ネイティブ並の英語力」とは?

私の目標はネイティブ並の英語を身に付けることです。

こんなことを書くと笑われてしまうかもしれませんね。

「ネイティブと言っても大人から子供,教養ある人からない人まで色々いるじゃないか。一体何をベンチマークにするって言うんだ?」

……なんて声が聞こえてきそうです。

お答えしましょう。私のベンチマークは私自身です。

言い換えると,自分の日本語力と同水準の英語力を身に付けることこそが,私の英語学習上の目標なのです。

私も試験の点数上だけは「上級者」に属するのでしょうし,取引先とのちょっとした商談はもちろんのこと,自分以外に英語話者しかいないホームパーティに参加して楽しいひと時を過ごす程度のことはまあできます。

それでも,私の日本語と英語は決定的に違うのです。

慣れない道具を扱っているような感覚とでも言いましょうか,常に英語というものを意識しながら英語を用いているような感覚に陥るのです。

こうした感覚を克服し,日本語も英語も私の身体と人格の一部になっているような水準を目指しているわけです。

では具体的にどうすればよいのか?これについては今後考えを綴ってゆきたいと思います。

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