2015/04/23

未来を生きる英語学習者達


Skypeを立ち上げればネイティブ・スピーカーと会話ができ,YouTubeでは世界の一流大学の講義を含め日々無数の英語動画がアップロードされ, Amazon.comで電子書籍を買えばKindle Cloud ReaderやiPadですぐに洋書が読め,ニュースサイトに行けば世界中の人々と最新ニュースについて侃々諤々と意見を交わすこともできる……

タイムマシンに乗って時を遡り,テレビもインターネットも無い時代の外国語学習者達にこんな「未来の世界」の話をしたら,きっと彼らは興奮し切った様子でこう言うでしょう。

「ああなんてことだ!まるで夢の世界じゃないか!さぞかし未来の世界の住人達は流暢に外国語を操るのだろうね!」……

さて「未来の世界」の住人であるあなたは彼らになんと答えますか?

このご時世,ネット環境さえあれば誰でも超大量の良質な生の素材に触れることができるようになり,今や学習環境はほとんど問題にならなくなりました。

「1冊しかない貴重な辞書の周囲に3人も4人も塾生が集まり寝食も忘れて書物を読み耽る」時代はもう遠い過去のことです。

これだけ学習環境が改善されたにもかかわらず,今もなお英語学習に四苦八苦する人が多いのは何故なのでしょうか?

様々な理由が考えられますが,私は多くの学習者がTOEICを始めとする試験英語一辺倒になっていることが大きな原因の一つになっているのではないかと思います。

本当は短期で攻略できるはずのTOEICのような試験を過大評価し,その攻略にだらだらと時間を掛けさせようとする試験・資格業界。

そうした試験で優秀な成績を残したにもかかわらず,思うように英語力が伸びずやり切れない思いの学習者達(そして,周囲の人達からは「英語ができる人」扱い)。

このような状況は何かおかしいと思います。

「未来」を生きる私達の目の前には無数の選択肢が用意されているのに。


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